NY de Volunteerの手帖

New Yorkをベースに活動するNPO法人 NY de Volunteerの活動の様子を伝えるブログです

初!オンライン日本文化紹介活動~NYの高校生の日本に関する疑問に答えます~

世界中がCOVID19の渦の中にあり、ここニューヨークでも、3月からstay-at-homeが始まってすでに2か月が経とうとしています。ニューヨークの公立学校は今学期いっぱい閉鎖となり、自宅でオンライン学習などをしている状況です。私たちNY de Volunteerは、普段は直接学校などに出向いて、学生たちに日本文化の紹介を行っているのですが、そんなことは今はできずにいます。 

f:id:nydevolunteer:20200513102918j:image

 昨年実施した、日本文化紹介プログラムの様子(折り紙でオーナメント作り)

 

この状況の中で、私たちにできることはないか?とずっと考えていた企画のひとつが4月の末にやっと実現しました!

 

ーそれは、私たち団体が発足当初から行ってきた、日本文化紹介プログラムのオンラインバージョンです!

昨年から同プログラムを行ってきたブロンクスにあるワールドビューハイスクールの日本語授業に、運営スタッフがゲストとして参加しました(過去に訪問した時のプログラムの様子はこちら)。
今回のトピックは「日本食」。スタッフが作成したビデオを見てもらい、生徒から出てきた質問に答えます!

 
 
 
View this post on Instagram

A post shared by NYdeVolunteer (@nydevolunteer) on

オンラインプログラム。画面越しにコミュニケーション

直接会えない状況だけれど、できることがある!ニューヨークの高校生たちは日本のこんなことに興味があるんだ、という新鮮な発見にあふれた時間でした。

■プログラムを行うことになった背景


日本語のクラスを教えている伊藤先生によると、オンライン授業時間は週に2回設けているが生徒の様々な家庭事情により、全員が一斉に参加することは難しい、とのこと。通常は授業日の朝に課題(スライド、自作のビデオなど)をオンライン上にアップしていますが、授業の時間は、もしも質問がある場合や、ただ「こんにちは」と言いたい場合に生徒が先生とコミュニケーションを取るという使い方をしているそうです。

f:id:nydevolunteer:20200513103057j:image

昨年撮影したワールドビュー高校の外観。早くみんなが安全に投稿できる日が来ますように。


そこで、伊藤先生とアイデアを出し合った結果、その授業時間を利用して、オンライン上で生徒達と「日本食」に関するスタッフ手作りビデオを視聴し、質問に直接スタッフが答える、という企画を実施することになりました。


■このプログラムの目的


日本人で普段話すのは伊藤先生くらい、という生徒達。もともと日本語や日本文化に興味がある生徒も多いですが、日本ってこんなところでしょ?というステレオタイプにとらわれず、実際のところはこうなんです!ということを伝えられたらと考えました。普段は会わない日本人に質問をぶつけていろいろな話を聞いて、新たな発見や文化の理解が進めばとの思いでした。

 

例えば、手作りの日本食動画の中には、「朝食はシリアルやトースト。焼き魚とお味噌汁、のような伝統的な朝ごはんはうちではあまり食べません」など、リアルな日本家庭の食事の様子が登場するので、実際の日本の食生活を知ってもらうきっかけになるのではないかと考えました。

f:id:nydevolunteer:20200510040626j:image

日本の文化をこちらから伝えるだけでなく、ニューヨークの高校生の様子や、日本語を学んでいる生徒たちがどんなことに興味があるのかにも参加スタッフも興味津々。お互いに理解しあえたら素敵ですね!

 

■プログラムスタート!当日の様子

13時にスタートです!

・伊藤先生から挨拶

・参加スタッフの自己紹介

・生徒の自己紹介(有志)

日本食の動画を画面共有して視聴

・生徒達からスタッフに日本食や日本のことを質問

 

日本語を習っている生徒たちなので、スタッフの自己紹介では、「こんにちは。私の名前は~です。」の後に英語で自己紹介。生徒が、それに対して「いいですね」「ありがとうございます」など、日本語でリアクションをしてくれました!

次に先生が生徒に自己紹介をうながすと、手を挙げてくれた3,4人の生徒が、日本語を交えて自己紹介。「こんにちは、私は〜です」のように。とても上手に話していました。

 

そして動画視聴。全員ミュート(消音)にしていましたが、生徒たちは思ったことや歓声をチャットボックス入力して、活発に反応して見てくれました。納豆に生卵とからしを混ぜるシーンがあったのですが、こちらでは生卵を食べる習慣もないですし、そしてなじみのない粘った豆を混ぜる動画には驚きを隠せなかったようでした!

f:id:nydevolunteer:20200513110753j:image

動画に登場したスタッフは、以前の活動で今回参加の生徒と会ったことがあるのですが、鑑賞中に「I know her!」と喜んでいた生徒もいて、以前からのつながりを感じました。

f:id:nydevolunteer:20200510040608j:image

その後の質問タイムには、チャットボックスに質問がどんどん入力されて、みんな興味が止まらない!45分間の予定でしたが、生徒から質問が次々出てきたので、時間を延長して1時間のプログラムになりました。 

 

■生徒から出たのはこんな質問

ー日本とは時差が大きいけれど大変なことは?
ー日本で一番人気のレストランは?
ー日本は時間に厳しい?規則は厳しい?
ー日本とアメリカの生活の違いは?
ー日本の食事になくてはならないものは?奇妙な食べ物はある? 

など。どれも面白い質問ですよね!私自身すぐに返答できないなというものもありました。皆さんなら、どう答えますか?


そんな質問に対して、時差への回答では、「最近増えてきたオンライン飲み会を日本の友達とするときは昼夜逆なので、日本が夜で友達は酔っぱらっていても、こちらは朝でその勢いについて行けない!」とスタッフが話すと、生徒がwow!と驚いており、日本との時差の大きさがわかりやすく伝わったのではないかと思いました。

 

また、人気のレストランの話の中で、「日本にはRamen restaurantが山ほどあり、本当においしいラーメンが$6,7で食べられる」と答えると生徒はとても驚いていました。ニューヨークでもラーメンは人気で、日本からのお店も出店していますし、その他にも現地のラーメン屋は多くありますが、チップや税込みで約$20(約2200円)する高級食。日本だと安くておいしい庶民の食だということは新たな発見のようでした。

f:id:nydevolunteer:20200513101006j:image

規則の質問に対しては、「スカートの長さ、髪の色など」、実際に学校にどんな規則があるのか実例を紹介しました。その中で、高校時代の部活の規則で、「ボーイフレンド禁止、というものがあった」という話に対して、生徒の「why?」には、私たちもうまく答えられず(!)理由が分からない規則も多いことにこちらが気付かされました。

 

プログラム終了後に伊藤先生より、

「生徒ととても貴重な、2020年ならではの楽しい経験が出来たと思います!質問もたくさんありましたね。全部答えて下さって本当にありがとうございました。今回は一緒に本当に楽しい体験が出来てとても良かったです。」

と、お言葉をいただきました。こちらも一緒に充実した時間を共有できてうれしかったです。

f:id:nydevolunteer:20200514081948j:image

 

■参加スタッフの感想

生徒たちは基本はミュート(消音)で話を聞いていましたが、発言する時に、おそらく兄弟の泣き声が後ろで聞こえたりして、なかなか静かに勉強できない環境の子もいて大変だなと思いました。そんな中でも参加してくれて本当にありがたいです。(渡部)

 

生徒のピュアな好奇心が伝わってきて、自分の文化に興味を持ってもらうってとても嬉しいことだな、と思いました。何名か中南米出身の生徒もいたようで、ニューヨークに住んでいる人達のバックグランドをもっと学びたいとも思いました。(大平)


生徒達が思った以上に積極的に質問してくれて驚きました。先生以外の日本人に話を聞くのは初めての生徒もいて、興味津々のようでした。私たちへの反応を声やチャットを使って表現してくれて、顔は見えなくても、双方向で話せたように感じて嬉しかったです。(乾)

 

■今後に向けて。一緒に活動しませんか?

今はこのように私たちにもオンライン上でできることをしながら、日本文化を紹介したり異文化の理解を進めたり、活動をこつこつと続けていきます。新しい活動にも、新たな発見や感動が相互にあることを感じており、今だからこそできる体験も大事にしていきたいです。

 

今後もしばらくオンラインでのプログラムが続きそうです。現在、みなさまに私たちのオンラインプログラムにも安心してボランティアとして活動に参加していただけるように体制を整えているところです。

 

私もやってみたい、興味があるというあなた!ぜひこちらのボランティア募集メーリングリストにご登録を!

 

実際に学校に行って行うプログラムや、その他のイベントでのボランティア募集が再開した暁にも、このメーリングリストを通してお知らせします。いつかNY de Volunteerの活動に参加してみたい、という方は、ぜひ登録くださると嬉しいです。

 

みなさまとも、しばらくはオンラインで、この状況が良くなれば実際にお会いして、一緒にボランティア・日本文化紹介の活動ができることを楽しみにしています。

 

(文:乾梢 編集:広報チーム)

 

************************************************************************

イベント名:Explore Japanese Culture (EJC)プログラム

高校生にオンラインで日本文化紹介

場所:オンライン(google meet)

対象:World view high schoolの生徒11名

参加運営スタッフ(順不同):渡部、大平、乾、村上(動画作成)

日時:04/29/2020

************************************************************************

 

公式サイトhttps://www.nydv.org/ 

Facebook https://www.facebook.com/NyDeVolunteerjpn/

Instagram https://www.instagram.com/nydevolunteer/